MMT・ROM 早見表(判定基準と参考可動域)
MMT(徒手筋力テスト)の6段階判定基準と、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会による関節可動域の参考可動域(2022年4月改訂)をまとめた早見表。評価・記録用に。
MMT(徒手筋力テスト)判定基準
| 段階 | 表示 | 判定基準 |
|---|---|---|
| 5 | Normal | 最大の抵抗を加えても、全可動域を完全に動かせる |
| 4 | Good | 中等度〜強い抵抗を加えても、全可動域を動かせる |
| 3 | Fair | 抵抗を加えなければ、重力に抗して全可動域を動かせる |
| 2 | Poor | 重力を除いた肢位なら、全可動域を動かせる |
| 1 | Trace | 筋収縮は触知できるが、関節運動は起こらない |
| 0 | Zero | 筋収縮がまったく触知できない |
※ Daniels & Worthingham(新・徒手筋力検査法)に基づく6段階評価。段階3(Fair)は「重力に抗せるか」の境界で、装具や介助量の判断に直結する重要な基準です。
スポンサーリンク
ROM 参考可動域(2022年4月改訂)
日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会「関節可動域表示ならびに測定法」による参考可動域です。年齢・個人差があるため、絶対的な正常値ではなく目安として使用してください。
肩(肩甲帯の動きを含む)
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 屈曲(前方挙上) | 180° |
| 伸展(後方挙上) | 50° |
| 外転(側方挙上) | 180° |
| 内転 | 0° |
| 外旋 | 60° |
| 内旋 | 80° |
| 水平屈曲 | 135° |
| 水平伸展 | 30° |
肘・前腕
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 肘 屈曲 | 145° |
| 肘 伸展 | 5° |
| 前腕 回内 | 90° |
| 前腕 回外 | 90° |
手関節
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 屈曲(掌屈) | 90° |
| 伸展(背屈) | 70° |
| 橈屈 | 25° |
| 尺屈 | 55° |
股関節
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 屈曲 | 125° |
| 伸展 | 15° |
| 外転 | 45° |
| 内転 | 20° |
| 外旋 | 45° |
| 内旋 | 45° |
膝・足
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 膝 屈曲 | 130° |
| 膝 伸展 | 0° |
| 足 背屈 | 20° |
| 足 底屈 | 45° |
頸部・体幹
| 運動方向 | 参考可動域 |
|---|---|
| 頸部 屈曲 | 60° |
| 頸部 伸展 | 50° |
| 頸部 回旋(左右各) | 60° |
| 頸部 側屈(左右各) | 50° |
| 胸腰部 屈曲 | 45° |
| 胸腰部 伸展 | 30° |
| 胸腰部 回旋(左右各) | 40° |
| 胸腰部 側屈(左右各) | 50° |
スポンサーリンク
記録時の注意点
MMTは左右差・代償動作の有無・疼痛による制限を併記すると、再評価時の比較がしやすくなります。ROMは自動(active)か他動(passive)か、エンドフィール、疼痛の出現角度も記録しましょう。
2022年4月の改訂では、足関節・足部の運動(背屈・底屈の基本軸など)や一部の測定肢位の表記が変更されています。改訂前の記録と比較する際は測定条件の違いに注意してください。
よくある質問
- Q. MMT3(Fair)の判定基準は?
- 重力に抗して全可動域を動かせるが、抵抗を加えると保持できないレベルです。MMTは3を境に「重力に抗せるか」で大きく意味が変わるため、臨床では3が最重要の基準になります。
- Q. ROMの参考可動域は何に基づいていますか?
- 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会による「関節可動域表示ならびに測定法」に基づきます。2022年4月に改訂され、一部の関節で基本軸・測定肢位の表記が変更されています。
- Q. MMTのプラス・マイナス表記(4+、3−など)は使ってよいですか?
- 施設や文献により運用が異なります。中間的な筋力を表す補助表記として広く使われていますが、検者間の一致率が下がるため、記録では施設内で運用ルールを統一することが推奨されます。
参考文献
- Hislop HJ, et al.(津山直一, 中村耕三 訳):新・徒手筋力検査法 原著第10版. 協同医書出版社, 2020.
- 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会:関節可動域表示ならびに測定法(2022年4月改訂).
※ 本ツールの結果は臨床評価の参考情報です。評価の最終判断は、対象者の全体像をふまえた臨床判断で行ってください。